[ STE Relay Column : Narratives 065]
川崎 温恕「スターPJとの関わりと将来」

川崎 温恕 / 早稲田大学 政治経済学部国際政治経済学科4年 

[プロフィール]牧研究室RA。東京生まれ東京育ち。早実中高では軟式野球部に所属。野球は小学校から計12年。大学2年から3年にかけてUC San Diegoに1年間交換留学。卒業後は総合商社に入社予定。趣味はスポーツ観戦、トレーニング、読書、旅行。3歳で初めて神宮球場に行った時から、ヤクルトスワローズファン。好きなトレーニングは懸垂。これまでで一番良かった本は、森絵都の「風に舞いあがるビニールシート」(無難に直木賞)。今年は中国、韓国(2回目)、カンボジア、オーストラリア、ウズベキスタンに行く予定。
名前が珍しすぎて誰にも読んでもらえないので、将来は改名でもするかなと思ってましたが、22年も生きていると愛着の湧くものですね。「あつひろ」と読みます。字の出所が気になった方は調べてみてください。

牧さんの研究室でRAをしている、早稲田大学政治経済学部4年の川崎温恕と申します。今回執筆者を仰せつかった訳ですが、今年の3月まではこのコラムの更新担当をしておりました。社会人の皆さんのようにウィットに富んだ文章は書くことができませんが、この回のpreview数が減少しないようにしっかり執筆したいと思います。

まずお前誰だよという方も多いと思うので、長いver.の自己紹介から始めます。東京生まれ東京育ち、中高は早稲田実業で過ごし、気づいたら早稲田大学にいました。2年秋学期より1年間、アメリカのUC San Diegoに交換留学し、そこで牧さんと初めてお会いしました。帰国後はゼミで東アジアの開発経済学に想いを馳せる傍ら、M&A関連のスタートアップでインターンをしています。ゼミでは、東アジアの奇跡前後から今日に至るまでの経済発展を総合的に学んでいます。昨夏はミャンマーへ、今年の夏は中国へ合宿へ行き、机上で納得した直接投資や産業集積、技術のスピルオーバーといったことが現場ではどう見えるのかを実際に目に焼き付けてきました。また、ベンチャーでインターンをして、ベンチャー企業がなんたるかということは少しだけ理解しているつもりです。そして色々な学びと経験から、日本代表として世界、特にアジアの経済発展に貢献できるフィールドで戦う、という安直な目標を掲げ(でも若手のうちにそれができるところかなとも思ってます)、春からは総合商社で働くことにしました。

牧さんと初めてお会いしたのは、カレンダーを見る限り2018年2月8日らしいです。慶應から同じ時期にUCSDに留学していた私の友人に連れられて行ったことをよく覚えています。第一印象は「非常に変わっている」ということで大勢の予想を裏切りません。ただ、その日2時くらいまでお供させていただいて、「実はめっちゃ頭いいぞ」ということにもちゃんと気がつきました。牧さんはじめスターサイエンティストPJのメンバーの皆さんがサンディエゴで研究発表した際にも、当時はイマイチ内容を理解できていないままその発表を聞いていました。その後縁あって、留学から帰国後の2018年7月頃からスターサイエンティストPJに関わらせてもらっています。

そこで何をしているかというと、RAという結構かっこいい肩書きの割には、地道な仕事をしており、全世界の研究者(特にスターサイエンティスト)という職業の方々を尊敬せざるを得なくなりました。泥臭い道のりの先にしか果実が実っていないのはどんなことでも同じですね。主に、菅井さんのsuperviseのもと、データセットの作成をしています。菅井さんとは一度お電話させていただいたのみなので、ぜひ直接お話しする機会を、と思っています。いつも納期ギリギリまたは遅れということでご迷惑ばかりお掛けしているので、お会いした際には誠意を持ってお詫びする所存です…。冒頭、地味な仕事と表現したのですが、研究結果を左右しかねない仕事であるため、その重要性は認識して取り組んでいます。今取り組んでいる仕事が少しでもこのPJに貢献できているといいな、と思っています。

(少々長さが足りないようなので、ここで備忘録的に今考えていることをスタンスをとってこのコラムに記録しておこうと思います笑)
私の浅はかな理解が正しければ、このPJはスターサイエンティストによるベンチャー設立ならびに企業との関わりなどによって生まれるイノベーションエコシステムに関するものだと思っています。さらに、研究結果をもとにした政策提言により、日本におけるエコシステムの進化と深化につなげるものだという認識です。かなり個人的な話題かつ見解ですが、私自身は社会人になり、このエコシステムの中に飛び込む可能性があるのではと思っています。日本企業の中でも比較的潤沢なキャッシュと豊富なファイナンス手段を持ち、業界のインサイダー情報にも近く、それなりの経営人材が内部で育ってきている総合商社はこのエコシステムの一角を担うことになるように思うからです。もちろん、ベンチャー起業には特殊なネットワークがあり総合商社はその生情報に触れる機会は少ないだとか、既存の事業会社をバリューアップするのとは訳が違うとか、目利きをできる人材などいないと言ったことは百も承知です。ただ、すでに複数の総合商社が様々なベンチャーへ投資をしており、何度も失敗をしながらも、ベンチャー投資をやるという姿勢を見せていることは確かです。
なぜ突然こんなこんな話をしているかというと、スターのPJをきっかけに日本の新産業育成について詳しく調べたことがあり、結果としてファーストキャリアの選択にいくらか影響を与えたからです。就職活動時、日本のために、未来を背負う産業を育成したいという思いから、政府系金融機関にも非常に興味があり、最後の最後までどちらに行こうか迷いました。実際に近年政府系ベンチャー投資の一角として、様々な投資を行っていることも知りました。また、留学以前から、日本のために仕事がしたいという思いをずっと抱いてきたため、日本を支える誇り高き仕事であることにとても魅力を感じていました。ただ、冒頭記した「日本代表として世界、特にアジアの経済発展に貢献できるフィールドで戦う」という目標を考えたとき、ここでは世界で戦えるようにならないのではないかと思いました。日本の新技術・新産業を創り出しながら、稼げるビジネスに落とし込み、それを武器に世界で戦う、そしてその帰結として経済が発展していく、そんな夢物語を見ることができるのは総合商社ではないかとという結論に達しました。もちろんはじめはこんなキラキラした仕事をできる能力もないので、目の前の仕事に全力投球します。何年かかるか分かりませんが、無事そのチャンスを手にした時には、この政府系金融機関の皆さんと協働するPJを組成して、互いのexpertiseを総動員してONE TEAM(すいません完全にラグビーの影響です)で、この目標に向かって戦いたいと思います。
仕事を始めたらきっとこんなことを考える暇がなくなってしまうので、青臭いですが自分語りしておきました。でもこんな優等生な尖り方では、牧さんに負けてしまいますね。留学でも感じたことですし、牧さんの名物FB投稿でも感じることですが、多少尖った考えでも自分の意見を思いっきり語れる人はかっこいいなと思います。以前ブログ更新担当をしていたときから、歴代執筆者の皆さんの原稿も拝読していますが、皆さんご自身の多様なお考えをしっかり表現されているのが印象的です。そろそろ、世間知らずの大学生が何言ってるんだという声が聞こえそうなので、この辺りで終わりにします笑


次回の更新は11月1日(金)に行います。