[ STE Relay Column : Narratives 221]
清水 健 「サンディエゴ訪問を通じて」

清水 健/ 早稲田大学 創造理工学部経営システム工学科4年

[プロフィール]愛媛県出身。早稲田大学入学を機に、上京。大学の授業を通じて、物流・サプライチェーンに興味を持ち、大森研究室に所属することを決意。現在、卒業研究で2024年問題に対応する中間倉庫の立地戦略に取組中。今年の2月にタイでの工場現場改善プロジェクトなどにも参加。

早稲田大学・創造理工学部・経営システム工学科学部4年の清水と申します。2022年10月より大森研究室に所属しており、指導教員の大森先生が昨年に引き続きサンディエゴを訪問することを聞き、学生生活最後の夏休みを有意義なモノにしたいと考え、同行させていただきました。大森先生は来年度以降、今回のようなスタディツアーを行うことを計画しており、その第一弾として参加させていただくことになりました。「来年度以降のツアーに繋がるように務める」と自分自身でこのスタディツアーを通しての使命として設定しました。(牧先生にはサンディエゴで仕事を見つけるという使命を初日に頂きましたが笑)今回のスタディツアーで私が感じたことを、以下にまとめさせていただきました。牧先生をはじめ今回お世話になった皆様、本当にありがとうございました。

牧先生の授業
 サンディエゴ滞在中に2度牧先生の授業にオブザーバーという形で参加させて頂きました。授業内容に関しては、1度目はAirbnbの人種差別に関するケーススタディ、2度目は学生がグループとなり自分たちのビジネスモデルを発表するものでした。授業を通して私が驚いたことは、学生の授業に対する積極性です。牧先生の話が完全に終了する前に質問に対して、我先にと挙手し発言しようとしている姿が印象に残っています。これまでの日本で授業を受けてきた3年半、このような光景をみた記憶はあまりありません。そして自分自身もどこか他人の様子を伺いながら、言動をしていたなと痛感しました。特に1度目の授業のような発言が難しい内容に対しても学生一人ひとりが自身の意見を持ち、物怖じしない姿勢を見て、自分が彼らの立場だった場合、彼らのようにはなれないなと感じました。今後、彼らを見習って変わっていけるように努力したいと思います。
 また、生徒の多様性が様々な意見が出る理由ではないかとも感じました。私が所属している経営システム工学科の同期は130人程度ですが、その中で留学生は数人というのが現状です。正直、多様性があるとは言い難く、意見が偏っている場合があるのではないかと考えます。日本でこれを解消することは言語などの壁があるため困難だと思いますが、乗り越えた先に教育の変化が生まれるのではないかと思います。

在サンディエゴの方々
 私は今回のツアーで日本の企業から派遣されRadyで勉強されている方、現地の駐在員の方、スタートアップ立ち上げに携わっている方など様々な方と交流させて頂きました。皆さんに共通している点は、現状に満足せず新たなことに挑戦し、そして競争の激しいアメリカの地で勝ち続けていることです。皆さんとお話する以前、正直私はそこまで仕事にプライオリティを置いていないイメージを持っていました。その理由は、レイオフの可能性が日本より高く、家族を大切にするという文化であるという認識であったためです。しかし、実際は全く異なっていました。休日・昼夜問わず仕事をしているというお話を聞き、衝撃を受けました。何かを成し遂げている人は、熱量をもって取り組んでいる人であることを痛感しました。
 また、自分の将来に関して再度見つめなおすきっかけにもなりました。以前から海外に興味を持っていたこともあり、将来は海外への出張や駐在ができたらいいなとぼんやりとした憧れは持っていました。しかし、今回のツアーを通じて絶対に戻ってきたいと思うようになりました。そして、出張・駐在だけではなくMBAや就職など自分自身の中で今までになかった選択肢も増えました。自分が何をしたいのか・何が最善なのかを引き続き考えていきたいと思います。

来年度のツアーに向けて
 自分から行動し、自分自身で何かを掴み取ることができる学生に参加してほしいと私は思います。牧先生が、「日本人は海外訪問 をする際に相手のリスペクトが少ない」とおっしゃっていたことが心に刻まれています。なぜそのようになってしまうのだろうという疑問が湧いているとともにそのようにはなってならないと感じました。学生の相手に対するリスペクトの示し方は、事前準備を行い、相手の方のお話を聞き、そして疑問点を聞く(疑問点がない場合は感想を述べる)という積極的に行動することだと考えます。そしてこの人たちに時間を割いて良かったと思われるとさらに良いと思います。このツアーの間にサンフランシスコに駐在中の方とお話しさせていただく機会がありました。そこで私がサンディエゴを発った後にサンフランシスコを訪れることをお話しすると、オフィスを紹介していただけるようになりました。この経験は自分で掴んだ機会で自信になりました。このようにその場に限らず、さらにチャンスを広げていけるような学生に参加してもらいたいと思います。
 みなさんに私を含めた学生から直接的に何かを今現在お返しすることは難しいかもしれません。ですが、数年後成長した姿を見せることが最大の恩返しであると思います。私自身に関しては、みなさんとお仕事を一緒に行えるように日々努力していきたいです。
 繰り返しにはなりますが、牧先生、牧ゼミの皆様、その他関わって頂いた皆様、本当に貴重な経験をさせて頂き、ありがとうございました。

(大森先生コメント)
 今回、こちらの記事の続編として、ツアーに参加した清水君にも執筆をしてもらいました。彼は既に就職先が決まっているのですが、牧さんから「もし今回のツアーで、本当に人生が変わったならば、こちらで就職したくなるはずだ。それくらいの気持ちで体験を積んで欲しい」とアドバイスを頂いていました。ツアーの中でも、とても積極的に様々な人に質問をしたりして、何かを得るために努力をしていた様に感じています。また、こうした体験を経て、考え方が大きく変わったのではと考えており、これからの行動がどの様に変わるか本当に楽しみにしています。
 改めて、牧先生をはじめ、交流の機会を頂きました皆様には感謝申し上げます。是非来年以降も、同じ様な機会を作りたいと考えております。可能であれば、ご協力をして頂けますと有難く存じます。どうぞ宜しくお願いします。

 


UCSDのRady School of Businessにて

 


企業訪問(PrecisePK & LUXE Bidet)

 


修論発表会後のBBQ

 


次回の更新は10月27日(金)に行います。

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