[ STE Relay Column : Narratives 165]
Rola (Hongai Jin) 「より楽しく、サステナブルで、イノベーティブであり続ける TOMラーニングコミュニティー」

Rola(Hongai Jin) / 早稲田大学経営管理研究科2021年卒

[プロフィール]中国吉林省出身。高校までの18年間を中国で過ごし、日本に単身留学。その後、大学卒業、不動産業界経験を経て、今は食品メーカーで勤務中。産休・育休期間を利用し、2019年4月早稲田大学経営管理研究科に入学し、2年間過ごし、昨年仕事復帰。在学中の2019年5月22日、男の子を出産したことをきっかけに、ベビー洋服ブランドensphereを立ち上げ、品質担保と管理の大変さを経験。

私は、2019年度秋クォーターの「技術・オペレーションのマネジメント「TOMJ: Technology and Operations Management(Japanese)」授業の履修生である。当年4月に早稲田大学に入学、5月に出産をした私は、春クォーターの授業を最後まで履修することが出来なかったので、私の大学院生活は秋クォーターからスタートしたと言っても過言ではない。これから本番スタートと意気込んている際に履修した授業の一つにTOMがあり、その後の私の大学院生活の基盤となる考え方、行動を大きく変えてくれた。この授業のラーニングコミュニティーに参加できたことによって、しっかり自分の軸を持って2年間の学生ライフに取り組むことができ、卒業まで全力投球できたと思う。私は、この授業を通して成長できた実感をより多くの人に伝える役割として、卒業後にTAという立場から授業に関わりたいと思ったのだ!!今はそう思っている。

牧先生との出会いや、この授業でどう学び、どんな影響を受けたかというのはRelay Column 079を是非読んでほしいと思う(恥ずかしいが)。

楽しく、サステナブルで、イノベーティブであり続けるTOMラーニングコミュニティー
2年ぶりにTOM授業に関わり確信したのは、TOMラーニングコミュニティーは進化し続けていたということである。そして、毎年の履修生は「自身が履修している年度の授業が最も深い学びを得て、ラーニングコミュニティーにも最もコミットできた」と自負しているし、私もそう信じている。また、2019年度のTOMで出来た友人は一生のものになっている。2021年度のTOMは歴代最高人数の履修生であり、最もイノベーティブかつ、個々の表現したい世界観を自由自在に教室で表現し、最もチャレンジングでありながら心理的安全性の保てた絶妙なバランスの居心地のよい空間であった。新たな学びのスタイルの自由!そのものを尊重されたと感じた時は、これこそ本当に意味のDiversity, Equity, Inclusion and Belongingであるとわくわく感が止まらず、Innovation is for everyoneである喜びを嚙み締めた。

今日は昨日までやれなかったことだけをやってみたい人へ
先生は毎回の授業のために100ページ以上のスライドを作成し、授業に臨んでいる。
「今日は昨日までやれなかったことだけをやってみたい人へ」というメッセージは、先生が作る最後のスライドに書かれているもので、授業はこのメッセージと共に幕を閉じる。私はこの最後のスライドがとても好きだ。大学院に来ている皆さんはきっと昨日までの自分よりも更に学び、成長するために来ていると思う。そして、このメッセージには、明日も今日までやれなかったことにチャレンジしようという、前進し続けたいという気持ちを後押ししてくれる。毎回3時間全力投球し授業を受けたが、また頑張ろうと新たな力が湧いてくる。

向上意識の高い履修者に常に新しい価値をもたらすためには、先生も相当な熱量と努力を授業に注いている。今回はTAという立場からその裏に関わらせてもらい、授業が始まる1分前まで授業の準備に改善に改善を重ねている姿を目の前にし、私たちTA3人も気を抜くことができない臨場感を味わった。また、皆で授業を作っていくという意味で、毎週の学生さんからのフィードバックを読み込み、すぐ授業に取り入れ、最後の授業まで改善をし続け、より良い学習環境と学びのクオリティーのために努力した。そのおかげで、一体感溢れる学びの環境、授業中は全員発言をするというモチベーション高い学生さんが増え、対面授業の楽しさ、学びの深さを再度経験することができた。

より豊かなラーニングコミュニティーに欠かせない価値観
先生が大事にされている価値観の中の一つに“favor bank”という考え方がある。現役学生間の横の関わり、卒業生との縦の関わりもしっかり構築することを意識的に工夫し、より豊かで、切磋琢磨しながら成長し続けるネットワークを作っていける機会を意図的に作っている。
今回の授業の中で1回だけ、ゲストとして卒業生にサプライズ登場してもらい、現役在学生が突如、TOMでの学びをプレゼンするという無茶ぶりをした。しかし、そのようなシチュエーションでも臨機応変に応えてチャレンジするのがTOMの履修者たち。そして驚きながらも、その場を楽しむという逞しいメンタルの持ち主である。ゲストとして貴重な土曜日の時間を割いてくださった21名の卒業生の方々に本当に感謝をしている。

愉快なTAメンバー
最後に、今回の授業に関わった3人のTAメンバーについて紹介する。先生のアレンジによりめでたく選抜された私たちTAメンバーはとてもユニークな集まりであった。3人とも育った国も、言語も違うのだが、初対面から打ち解けるのが早く、何故か私達は知るべきして集まったような運命的出会いを直観的に感じた。そして、いつも私たちが一緒にいると笑いが絶えなく、楽しかった。何事も完璧にこなし、頼り甲斐がある上にやさしく、思いやりあふれる人格者のわこさん、チャーミングでやさしく、何事も受け入れてくれる広い心の持ち主のマークには色々甘えて、助けてもらった。2か月間助け合い、相談し合い、TAというミッションを成し遂げたことですっかり仲良くなった私たちは、今後もよい人生の友としてこの絆を大事にしようと思う。お二人に巡り合わせて下さった先生には本当に感謝している。そして、授業が終了した後、また打ち上げができていないので、オミクロン株が落ちついて、対面でまた先生やTA仲間に直接お礼を言いたい。

最後の最後に・・・
この写真は、授業終わりの帰り道でわこさんが「きれい~!!」と叫びながら写真に収めた1枚。この写真をみると、2021年の秋から冬にかけての2か月のTOM授業のすべてがよみかえる。
TOMは先端的な科学技術に関わるビジネス概論を含め様々なフレームワーク、イノベーション学問について教えてくれる授業でもあり、人と人のつながりの大切さ、豊かさを教えてくれる授業でもある。TOMに興味を持ち、このコラムに辿りついた方はぜひ、授業だけでなく、TAという立場からもこのラーニングコミュニティーの輪を広げてみてください。
TA仲間のわこさんのコラムもぜひ合わせてご参考頂ければ幸いです。
もっと具体的かつ詳細にTOMの世界観を多角方面で語っておられます。


次回の更新は3月18日(金)に行います。